バイクの高速料金はいくら?二輪の料金区分とETC割引
二輪車の高速料金は、軽自動車と同じ「軽自動車等」の区分で決まります。距離に応じた部分は普通車の0.8倍になりますが、1回の利用ごとに150円かかるターミナルチャージには0.8が掛かりません。そのため支払額は普通車のちょうど0.8倍にならず、短い区間ほど比率が上がります。料金区分と計算式、いま使える割引とその期限、首都高速・阪神高速の上限額を、一次資料の実額で整理します。
二輪車は軽自動車と同じ「軽自動車等」区分
高速道路の料金は5つの車種区分ごとに決まっていて、二輪自動車は軽自動車と同じ「軽自動車等」に入ります。区分どうしの料金の比は、普通車を1.0としたときの車種間比率で定められています。
| 車種区分 | 車種間比率 |
|---|---|
| 軽自動車等(二輪自動車を含む) | 0.8 |
| 普通車 | 1.0 |
| 中型車 | 1.2 |
| 大型車 | 1.65 |
| 特大車 | 2.75 |
出典: 国土交通省 国土幹線道路部会 資料7-2「高速道路料金の車種区分について」/NEXCO西日本「車種区分」。2026年8月27日に確認。
二輪車が軽自動車と同じ区分に置かれている理由は、どちらも走行に1車線を必要とし、法定の最高速度が100km/hで同じであるためと公表されています。この5車種区分と比率は1989年に設定されてから変わっていません。首都高速と阪神高速も2022年4月にこの車種間比率へ移行しています。
広告
「普通車の0.8倍」と計算すると実額とずれる
NEXCOの高速自動車国道の料金は、距離に応じた部分と、利用1回ごとの定額であるターミナルチャージを足して計算します。
- 基本料金 =(走行距離 × 1kmあたりの料金 × 0.8 + ターミナルチャージ150円)×(1+消費税率)
- 1kmあたりの料金は普通車で24.6円/km、大都市近郊区間は29.52円/km
- 端数は10円単位に四捨五入する。1万円を超える部分は100円未満を切り捨てる
- 0.8が掛かるのは距離の部分だけで、ターミナルチャージ150円には掛からない
大都市近郊区間である名神高速の京都南〜西宮(48.5km)で確かめます。普通車は(150 + 48.5×29.52)×1.1 = 1,739.9円で1,740円、軽・二輪は(150 + 48.5×29.52×0.8)×1.1 = 1,424.9円で1,420円になり、どちらも公式の料金表と一致します。150円にも0.8を掛けて計算すると1,390円となり、実額と30円食い違います。
二輪の料金が普通車の何倍になるかは距離で変わります。距離が短いほどターミナルチャージの比重が大きくなるため、比率は0.8から離れて上がります。
| 区間(名神高速) | 距離 | 軽・二輪 | 普通車 | 実際の比率 |
|---|---|---|---|---|
| 大山崎〜吹田 | 19.3km | 670円 | 790円 | 0.848 |
| 吹田〜西宮 | 21.4km | 720円 | 860円 | 0.837 |
| 京都東〜吹田 | 37.0km | 1,130円 | 1,370円 | 0.825 |
| 京都南〜西宮 | 48.5km | 1,420円 | 1,740円 | 0.816 |
| 八日市〜西宮 | 101.7km | 2,620円 | 3,240円 | 0.809 |
出典: NEXCO西日本「高速道路の料金表」の軽自動車等・普通車のPDF料金表(表記は2019年10月1日現在)/NEXCO西日本「よくあるご質問(料金)」の計算式。2026年8月27日に確認。
高速自動車国道の基本料金は、ETCでも現金でも同額です。ETCで変わるのは基本料金ではなく、次の割引が使えるかどうかです。
二輪車の割引はすべてETCの無線通信が条件
二輪車が使える割引は、期限のあるものと通年のものに分かれます。いずれもETCの無線通信での走行が条件で、現金やクレジットカードでの支払いには適用されません。
| 制度 | 期間 | 割引率・料金 | 主な条件 |
|---|---|---|---|
| 2026二輪車定率割引 | 2026年4月4日〜11月29日の土日祝(北海道内は10月31日まで) | 37.5%割引 | 二輪車のETC無線通信。IC相互間1回の走行距離が80km超。速旅での会員登録と事前申込 |
| 2026ツーリングプラン | 2026年4月1日〜11月30日(北海道コースは10月31日まで) | 全22コースの定額乗り放題(2〜3日間) | 二輪車のETC無線通信限定。各社のWEBで会員登録後に事前申込 |
| 深夜割引 | 通年・毎日0時〜4時 | 30%割引 | 全車種が対象。距離と回数の制限なし。京葉道路・第三京浜・横浜新道・横浜横須賀道路は対象外 |
| 休日割引 | 土日祝(繁忙期は除外) | 30%割引 | 普通車と軽自動車等(二輪車)限定。NEXCO3社の地方部のみで、東京近郊・大阪近郊は対象外 |
出典: NEXCO中日本 ニュースリリース「2026二輪車定率割引」「2026ツーリングプラン」/NEXCO東日本 ドラぷら「深夜割引」「休日割引」。2026年8月27日に確認。
条件が重なっても割引は重複しません。適用されるのは、最も安くなる割引1つだけです。二輪車定率割引は出口の料金所を通った時点では割引前の額が表示され、後日精算されます。
ツーリングプランは、対象エリア内が2〜3日間の定額で乗り放題になる商品です。コース料金は、確認できた21コースで2,000円から6,100円の範囲でした。
- 二輪車定率割引の対象外は、第三京浜道路・横浜新道・横浜横須賀道路・東京湾アクアラインなど計9道路
- 首都高速と阪神高速は、二輪車定率割引もツーリングプランも対象外
- 速旅に登録したETCカードや車載器と違うもので走ると通常料金になる
二輪車定率割引は2026年11月29日、ツーリングプランは2026年11月30日で終了します(北海道はどちらも10月31日)。この日付を過ぎたあとに二輪車が使えるのは、深夜割引と休日割引だけになります。翌年度分が実施されるかどうかは各社の発表で確認してください。二輪車定率割引の2026年度分は、3月24日に申込受付が始まりました。
深夜割引は見直しが公表されていますが、運用開始日は決まっていません。0時〜4時に30%引く現行の形から、22時〜翌5時を対象にした後日還元型へ変わる内容です。2026年8月27日時点では、現行の0時〜4時の割引が続いています。
首都高速は2026年10月1日に軽・二輪の上限が上がる
首都高速と阪神高速は距離に応じた料金ですが、下限額と上限額が決まっています。首都高速の計算式は(料金距離 × 車種区分ごとの1km単価 + 150円)× 消費税率で、10円単位に四捨五入します。上限が適用される距離は55.0kmです。
| 区分 | 1km単価 | ETC下限 | ETC上限 |
|---|---|---|---|
| 首都高速 軽・二輪(2026年9月30日まで) | 23.616円 | 280円 | 1,590円 |
| 首都高速 軽・二輪(2026年10月1日から) | 25.978円 | 280円 | 1,740円 |
| 首都高速 普通車(2026年9月30日まで) | 29.52円 | 300円 | 1,950円 |
| 首都高速 普通車(2026年10月1日から) | 32.472円 | 300円 | 2,130円 |
| 阪神高速 軽・二輪 | — | 280円 | 1,590円 |
出典: 首都高速道路「ETC車の料金」「料金の仕組み」/首都高速道路「2026年10月1日からの料金改定」/阪神高速道路「料金一覧」。2026年8月27日に確認。
改定は2026年10月1日午前0時からで、軽・二輪の上限額が1,590円から1,740円に、1km単価が23.616円から25.978円に上がります。下限の280円は据え置きです。上限が適用される55.0kmという距離も変わりません。中型車以上の改定は2027年7月1日で、二輪には関係しません。
首都高速の現金車は、一部の区間を除いてETC車の上限額が基本料金になります。短い距離しか走らないときは、現金だと上限額を払うことになるため差が大きく出ます。阪神高速は0.1kmごとの利用距離に応じた10円単位の料金で、軽・二輪は280円から1,590円の間です。
二輪車用ETC車載器は登録店でのセットアップが必要
割引はすべてETCの無線通信が条件なので、二輪車で割引を使うには車載器が要ります。二輪車用の車載器は四輪用とは別の製品で、取り付けとセットアップは登録店で行います。
- 車載器には車両情報を書き込むセットアップが必要で、これをしていないと料金所で使えない
- 車両を乗り換えたときは再セットアップが必要になる。再セットアップは有料
- ETCカードは車載器とは別に、カード会社と契約して用意する
- 速旅で申し込む割引は、登録したETCカードと車載器の組み合わせで走らないと通常料金になる
出典: ITS-TEA「ETC総合情報ポータルサイト」の二輪車ETCの案内。2026年8月27日に確認。
車載器の本体価格・取付工賃・セットアップ料は、公表している一次資料がありません。ETCカードの年会費もカード会社ごとに違い、高速道路会社が定めているものではありません。本サイトは一次資料で確認できない金額を出さないため、ここでは金額を示しません。導入費用を見積もるときは、取り付けを依頼する登録店に直接確認してください。
高速に乗れるのは126cc以上。維持費はここで段が変わる
高速自動車国道と自動車専用道路は、原動機付自転車と125cc以下の自動二輪車が通行できません。高速を使う前提でバイクを選ぶなら、126cc以上(軽二輪または小型二輪)が条件になります。
- 125cc以下は高速自動車国道・自動車専用道路を通行できない
- 高速道路での二人乗りは、20歳以上であることと、大型自動二輪車免許または普通自動二輪車免許の通算経歴3年以上の両方を満たす必要がある(一般道は経歴1年以上)
- 横浜新道の保土ヶ谷IC〜今井ICは、自動二輪車の通行自体が禁止されている
出典: 道路交通法第71条の4/NEXCO東日本 ドラぷら「二人乗り」。2026年8月27日に確認。
高速に乗れる区分へ上げると、維持費も一段上がります。本サイトの計算では、125ccの年間維持費が53,273円、高速に乗れる最小の区分である250ccが72,660円です。251cc以上は車検が要るため、400ccで118,532円、大型で142,103円になります。年間で見ると、高速代そのものより、区分が上がって増える固定費のほうが大きく効きます。
年間3,000km走行・ガソリン170円/L・自賠責24か月契約・整備は標準・車検は業者依頼で計算
高速に乗れる126cc以上のバイクを維持費の安い順に並べた一覧は高速道路に乗れるバイクの維持費ランキングにあります。251cc以上で必ずかかる車検の費用はバイクの車検費用のページ、125ccと250ccのどちらにするかは125ccと250ccの比較ページにまとめています。自分の走行距離での年間維持費は2台比較シミュレーターで計算できます。
この先を決める前に
広告
よくある質問
バイクの高速料金は普通車の何割ですか
距離に応じた部分は普通車の0.8倍ですが、利用1回ごとのターミナルチャージ150円には0.8が掛かりません。実際の比率は名神高速の大山崎〜吹田19.3kmで0.848倍(軽・二輪670円と普通車790円)、八日市〜西宮101.7kmで0.809倍(2,620円と3,240円)です。距離が短いほど0.8から離れて上がるため、「二輪は普通車の0.8倍」と計算すると実額とずれます。
二輪車のETC割引は今どれが使えますか
2026年度は二輪車定率割引(土日祝で走行距離80km超のとき37.5%割引・2026年11月29日まで)と2026ツーリングプラン(2〜3日間の定額乗り放題・2026年11月30日まで)が実施中です。北海道はどちらも2026年10月31日で終了します。通年で使えるのは深夜割引(毎日0時〜4時・30%)と休日割引(土日祝の地方部・30%)です。いずれもETCの無線通信が条件で、条件が重なっても最も安い割引が1つだけ適用されます。
バイクの高速料金は現金とETCで違いますか
高速自動車国道の基本料金は、ETCでも現金でも同額です。ただし深夜割引・休日割引・二輪車定率割引・ツーリングプランはすべてETCの無線通信が条件なので、現金では割引が一切使えません。首都高速の現金車は、一部の区間を除いてETC車の上限額が基本料金になります。
首都高速はバイクだといくらですか
軽・二輪はETCで下限280円・上限1,590円、1km単価23.616円です(2026年9月30日まで)。2026年10月1日午前0時から上限が1,740円、1km単価が25.978円に上がります。下限の280円と、上限が適用される55.0kmという距離は据え置きです。阪神高速の軽・二輪はETCで280円から1,590円です。
125ccのバイクは高速道路に乗れますか
乗れません。原動機付自転車と125cc以下の自動二輪車は、高速自動車国道と自動車専用道路を通行できません。高速を使うなら126cc以上が必要です。高速道路での二人乗りには、20歳以上であることと、大型自動二輪車免許または普通自動二輪車免許の通算経歴3年以上の両方が要ります(一般道は経歴1年以上)。
次に見るページ
制度がつながっているガイドと、金額で確かめるページです。
- 二人乗りの条件一般道と高速で違う年齢と免許の期間
- バイクの車検費用251cc以上にかかる法定費用と整備費の内訳
- バイク通勤の費用通勤手当の非課税限度額と電車との比較
- バイクの維持費が安い順ランキング全207台を同じ条件で安い順に並べています
- 2台比較シミュレーター走行距離・燃費・保険料を自分の条件に入れ替えて計算